日本橋

1897-1899(明治30-32)年頃 浅野四郎撮影

日本橋を南詰東側、京橋方面から写したもので、浅野四郎が機械の到着後に初めて撮影したフィルムの一つとされる。鉄道馬車や大八車の往来がダイナミックかつ鮮明に捉えられ、忙しげに行き交う人々の息遣いまでが聞こえてきそうである。橋が現在の石造アーチ橋に架け替えられる1911(明治44)年以前の記録としても貴重である。

浅野にとって最初の映画撮影は全てが手探りであったが、最も苦労をしたのは、長い映画フィルムを使ってネガから上映用のポジへ焼付を行う作業であったという。複写のために重ね合わせた2本のフィルムがどうしてもずれてしまうため、フィルムの送り穴どうしを木綿の糸で縫い合わせたという証言も残されている。それでも、この当時浅野らが撮影した映画は映写時間にしてせいぜい数十秒ほどの長さであったと思われる。

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