映像でみる明治の日本

動画詳細

映画題名（日本語）	日本の芝居の一場面
映画題名（フランス語）	Une scène au théâtre japonais
リュミエール社カタログ番号	975
撮影年	1897（明治30）年
撮影者	コンスタン・ジレル　Constant Girel
撮影時期	1897年5月27日
時間（分）	1
サウンド	サイレント
カラーの種類	白黒
作品解説	5人の俳優を中心に演じられる「暗闘（だんまり）」と呼ばれる歌舞伎演出の一場面。参考文献（塚田義信）は、1897（明治30）年5月28日付『大阪毎日新聞』の記事中の「だんまり場」、肥田弥一郎「掬水庵日誌」の1898（明治31）年6月7日の記述中の大阪浪花座の上映作品「東京新富座に於ける暗闘場」、それに同年6月30日付『新愛知』の記事が伝える7月1日からの名古屋新守座の上映作品「大阪俳優右団治、鴈次郎、霞仙、延三郎、芝雀五優のだんまり」の3作品が同一作品で、本作にあたる可能性を指摘する。また、『大阪毎日新聞』の記事に「昨日南地花遊園に於て（…）撮影」とあることから、塚田は撮影日を同年5月27日と推定し、撮影場所については水野一二三が発掘したという1927（昭和2）年8月25日付『大阪毎日新聞』記事中の中村鴈治郎（初代）の回顧談に「大阪上町櫻川筋の自分の別荘内」とあることを挙げたうえで、南地花遊園説を採っている。
製作会社	リュミエール社　Société Lumière
フィルム映写速度	16fps
備考	元素材は、1960年にフランス政府より受贈した35㎜ポジフィルムを原版とする既所蔵35㎜ポジフィルムを基に、2024年度に作製した35mmポジフィルム。 1897年5月28日付『大阪毎日新聞』の記事内容を以下に紹介する。 「●活動寫眞の撮影　佛國人リユミエール氏の發明に係る活動寫眞（シネマトグラフ）は當地を初め各地に於ても非常の好評を博せしが今回當地の俳優の演ずる技藝を撮影し外國へ携へ行きて日本演劇の現狀を見せんものと當市阪町なる笹村屋の周旋にて京都の荒木新之輔なるもの眞寫師佛國人ジレールを伴ひ來り昨日南地花遊園に於て中角兩座の重なる俳優に「だんまり場」及び「立廻り」等をいづれも美麗なる衣裳を着けて演ぜしめ撮影せし由尚その俳優は中座にて右團治親子、延三郎、玉七、霞仙、荒五郞、芝雀、米十郎、荒太郞、福之助、才五郞、角座にて鴈治郞、巖笑、傳五郞、成太郞等なりしと猶又右寫眞を外國に持行く前に近日道頓堀の劇場にて興行すると云」（ルビは一部を丸括弧内に表記した以外は省略）
参考文献	「明治の日本風俗⑥ マルロー氏寄贈のフィルムから お芝居」（『毎日新聞』1960年3月15日付朝刊）5面 梅村紫声「日仏交換映画祭あれこれ―その一―」（『映画史料』第八集、凡々社、1963年）4-5頁 （社）日本映画テレビ技術協会技術史委員会「日本映画技術史年譜 №14」（『映画テレビ技術』№236、1972年、日本映画テレビ技術協会）75頁 塚田嘉信『日本映画史の研究 活動写真渡来前後の事情』（現代書館、1980年）143-163頁 古賀太［編・訳］「上映作品解説」（朝日新聞社文化企画局編『光の生誕 リュミエール!』朝日新聞社、1995年）95頁 古賀太「カメラがとらえた日本 『明治の日本』から『リュミエール映画日本篇』へ」（吉田喜重、山口昌夫、木下直之［編］『映画伝来 シネマトグラフと〈明治の日本〉』岩波書店、1995年）31頁 Michelle Aubert et Jean-Claude Seguin (sous la direction de), La production cinématographique des frères Lumière, [Paris], Bibliothèque du film, Editions Mémoires de cinéma, 1996, p.352.

リュミエール社が撮った明治の日本　1897-1899
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