踊り子:扇踊り / Danseuses : la danse des éventails
動画詳細
映画題名(日本語) | 踊り子:扇踊り |
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映画題名(フランス語) | Danseuses : la danse des éventails |
リュミエール社カタログ番号 | 979 |
撮影年 | 1897(明治30)年 |
撮影者 | コンスタン・ジレル Constant Girel |
撮影時期 | 1897年1月9日から10月末の間 |
時間(分) | 1 |
サウンド | サイレント |
カラーの種類 | 白黒 |
作品解説 | 祭礼の装束姿のような男女の一群がカメラの前に立って何かを口ずさんだり、団扇を使って拍子をとったりしている。参考文献(塚田嘉信)は、1898(明治31)年6月30日付『新愛知』が伝える7月1日からの名古屋新守座での上映作品「京都豊国祭紀念踊り」について、1960年にフランスから寄贈された29本のリュミエール社作品をまとめた『明治の日本 1896-1900』に含まれると指摘しており、本作が該当すると考えられる。京都豊国祭(豊太閤三百年祭)は豊臣秀吉の没後300年にあたるこの年4月から5月にかけて催されたが、この時期はコンスタン・ジレルもガブリエル・ヴェールも日本にいなかったため、撮影者が誰だったのかが問題となる。また、実際に豊国祭を撮影した作品であれば、約2、3か月後には新守座で公開されたことになり、同時上映の他の作品はフランスで焼付けられたと考えられるにもかかわらず、本作だけが現像も焼付も日本で行われたことになる。その点について参考文献(塚田嘉信)は、1899(明治32)年8月10日付『大阪毎日新聞』が伝える「佛國寫眞協會派出員ビ子マーク氏」が前年の来日時に撮影し、国内での現像と焼付については「技術がそこまで進んでいたことを物語る」可能性を挙げているが、ビネマークについて詳細は判明していないため、撮影時期も含めて調査が俟たれる。 |
製作会社 | リュミエール社 Société Lumière |
フィルム映写速度 | 16fps |
備考 | 元素材は、1960年にフランス政府より受贈した35㎜ポジフィルムを原版とする既所蔵35㎜ポジフィルムを基に、2024年度に作製した35mmポジフィルム。 祭期中に発行された参考文献(『風俗画報』)によれば、豊国祭の踊りは1898年4月19日から1週間の予定で始まったが「老も若きも忘れてぞ踊り狂する」ほど盛り上がり、「踊り出つる人々多く四月三十日迄と日は定まりたれど。有志者ひきもきらず。五月五日迄との風説せり」という。また、商人や舞妓、芸妓などの団体がそれぞれ揃いの扮装をしたことが伝えられている。 ビネマークについて参考文献(塚田嘉信)では触れられていない1899年8月10日付『大阪朝日新聞』の記事を以下に紹介する。 「●興行物/◎中座にては今十日午後六時三十分より每夜二回づヽ日本新畫の活動寫眞を催すはず右は昨年来朝したる佛國寫眞協會の派出員ビ子マーク氏の再び渡来したるもののよし」(ルビは省略) なお、この中座での興行の「日本新畫の活動寫眞」の詳細は不明である。 |
参考文献 | 『風俗画報 臨時増刊 豐公三百年祭圖會』(『風俗画報』第百六十四號、東陽堂、1898年)7、25-26頁、挿画 (社)日本映画テレビ技術協会技術史委員会「日本映画技術史年譜 №14」(「映画テレビ技術」№236、1972年、日本映画テレビ技術協会)77頁 塚田嘉信『日本映画史の研究 活動写真渡来前後の事情』(現代書館、1980年)161-165頁 古賀太[編・訳]「上映作品解説」(朝日新聞社文化企画局編『光の生誕 リュミエール!』朝日新聞社、1995年)97頁 Michelle Aubert et Jean-Claude Seguin (sous la direction de), La production cinématographique des frères Lumière, [Paris], Bibliothèque du film, Editions Mémoires de cinéma, 1996, p.353. |
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